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『僕は何もできない』――その絶望は、どこまで堕ちていくのか
※DLsiteにて配信中。初回登録者は割引価格での購入も可能です。
人は本当に、何もできなくなったとき、何を選ぶのか──。
『僕は何もできない』は、一見すれば“過激”とひとことで済まされがちな成人向け漫画ですが、その奥に横たわるのは、生きることすら持て余した兄妹の、破滅的な共依存の記録です。3部作で描かれる本作は、現代の家庭崩壊、心の孤立、そして倫理のタブーに触れる問題作として、一部読者に強い印象を残しています。
■ 物語の始まり:誰も助けてくれなかった日常
主人公は、社会から脱落し、家庭からも期待されず、部屋にこもって日々をやり過ごす“引きこもりの兄”。
その存在はまるで空気のように軽視され、唯一の肉親である妹からも強い拒絶にさらされています。彼女は兄に対して常に棘のある言葉を投げ、家族内の空気はどこか凍りついている。
だがある日、妹が彼氏と一緒に“ガスパン遊び”をしていた最中、不慮の事故によって家が火事に包まれます。彼氏は逃げ、妹は逃げ遅れ──四肢を失うという重い代償を負ってしまう。
その日から、兄と妹の関係は劇的に変わります。
社会的にも肉体的にも「無力」になった妹と、かつて無力であることを責められ続けてきた兄。立場が反転した彼らは、互いの過去をなぞるように、“閉じた世界”の中で新たな関係性を築き始めるのです。
![]() ![]() | 僕は何もできない | 330円↓ |
■ 倫理崩壊のその先にあるもの
本作が衝撃を与える最大の理由は、明確なタブーへの踏み込みです。
四肢を失い、介護なしには生きられなくなった妹を、兄は次第に“世話をする”という大義名分のもとで支配し、やがて性的な対象へと堕としていきます。
兄が妹に向ける行為は、明らかに憎悪と欲望がないまぜになったものであり、そこに“愛”や“保護”のようなものはありません。
むしろ、かつて傷つけられた側が、優位に立った瞬間に牙を剥くという、人間の本性の醜悪さが赤裸々に描かれているのです。
シリーズが進むごとに、兄の堕落はさらに深くなっていきます。
親からの仕送りは止まり、経済的にも精神的にも追い詰められた彼は、生活費を得るためにパチンコに手を出し、最終的には妹を“売る”という決断を下します。
この展開は、読者に対して明確に“不快さ”と“絶望”を突きつけてきます。兄が完全に理性を失っていく姿、それに巻き込まれる妹、そして彼女が迎える結末──そのすべてが、もはやフィクションの域を超えた残酷さで描かれています。
■ 胸糞だけで終わらない、“納得感”のある地獄
ただ、本作は単に不快感やショックで読者を釣るような内容ではありません。
妹は決して“無垢なヒロイン”ではなく、序盤から兄に対して侮蔑的な態度を取り続けており、読者の中には「仕方がない」と感じてしまう人も出るでしょう。
これは、作者があえて“救い”の選択肢を登場人物に与えず、読者の倫理観すら試してくる構造になっているからです。
「兄が悪いのか?」「妹が先に壊したのでは?」「家族とは、何なのか?」――そうした問いを、読み終えた後に嫌でも突きつけられることになります。
■ 購入・配信情報(DLsiteにて)
本シリーズは、DLsiteにて配信中です。価格は1話あたり330円(税込)とお手頃で、DLsite初回登録者であれば、300円割引クーポンにより実質30円での購入も可能です。
- 『僕は何もできない』(本編・28ページ)
- 『僕は何もできない〜昔も何もできなかった編〜』(短編)
- 『僕は何もできない -後編-』(最終章)
※一部短編ではページ数の少なさに対するレビューがあるため、購入時は内容詳細を確認することを推奨します。
■ 結語:これは「読者を選ぶ」作品です
『僕は何もできない』は、明らかにすべての読者におすすめできる作品ではありません。
暴力的、性的、そして道徳的なラインを越えた描写が多く含まれます。しかし、だからこそこの作品は、一部の人々にとって強烈な読後感と記憶を刻むのです。
これは、社会から弾き出された人間たちが、互いを傷つけ合いながらも“繋がっていようとする”物語。
そして、その結末がどれほど陰惨であろうと、「それでも生きている」という事実が、最後に残る唯一の真実です。
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